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ブルー・マインドの感想とあらすじ! ※ネタバレあり

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作品名 ブルー・マインド
ジャンル

両親の仕事の都合で新しい街に引っ越してきたミアは、転校先の学校で目立つ存在のジアンナたちと仲良くなる。親に振り回されるいらだち、少女から大人の女性へと変わっていく言葉にできない不安を抱えるミアは、その鬱屈した気持ちを振り捨てるかのようにジアンナたちとの悪い遊びにハマっていく。そんな中で、ミアは成長と表現するにはあまりにも不気味で不自然な身体の異常な変化を感じはじめる。

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映画の感想の前に、映画好きのあなたに耳寄り情報です。

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ブルーマインドってどんな作品?

本作は2017年スイスで製作された映画です。スイス映画賞では7部門にノミネートされ、作品賞、主演女優賞、脚本賞の主要3部門を受賞しています。

スイスで高い評価を受けた作品が1013日に日本で公開。しかし、日本での期待値は高いとは言えません。それは本作の公開映画館は東京の渋谷のみで1日に1回しか公開されていないことからも明らかです。

キャスト

キャストは、スイスで製作された映画ということもあり名だたるキャストは出演していません。

主演を務めたルナ・ヴェドラーも初の主演にして、映画作品への出演も初めてです。本作の監督・脚本を務めたリサ・ブリュールマンも本作が初監督の作品とのこと。出演者も堂々としていて映画出演が初めてとは思えない魅力が溢れています。

この作品が、一体どうなるのか

正直言って過去の作品情報がない監督やキャストが中心である作品には不安な部分が多くありましたが、鑑賞し始めるとどんどん映画の世界に入り込んでしまいました。

ブルーマインドの見どころ!

本作の見どころは繊細に創り込まれた世界観と少女の成長。この2点!

繊細に作り込まれた世界観

本作を鑑賞していく中で、中心となっていくのが水です。本作は、海岸にいる幼女が海を見つめるシーンから始まり、海岸にいる幼女から変わって本作の主人公であるミアが成長していく過程に迫っていく。

成長過程となるマイルストーンと共に随所に水を意識させる演出があります。家庭にある水槽、ミアの意識の中、音響。これが本作の主題と大きく関わってくる部分だと、本作を観ていく中で理解することができました。

視覚的にも全体的に薄暗く、青みがかかった映像が繊細な少女の心境とマッチしていて素晴らしかったです。

少女の成長

ミアは、15歳の少女でこれから16歳になろうとしている年齢のごく普通の女の子です。年頃の女の子は身体的だけでなく精神的にも子供から大人への変容していく繊細な時期です。そんな言いようのない不安を抱えている様子が鮮明に描かれていて、息を飲みました。

そんな不安を埋めるかのように転校先では、スクールカースト上位のグループであるジアンナたちと仲良くなっていきます。

この間も常に言いようのない不安を抱えているように映りました。多感な時期に転校し、周囲に友達も居ない環境に置かれることは不安ばかり

誰にでも当てはまる内容をクラスの関係性やジアンナたちとのやり取りの中でより一層普遍的なエピソードとして当事者意識を観客に持たせる演出。

大人になろうとしている精神と大人になりきれないという葛藤がもどかしくもあり、成長家庭の心情変化は繊細なものだと感じました。

ブルーマインドの感想とネタバレ

変化と不安

本作を視聴して思ったことは、思春期のミアの成長物語を人魚へと変態していく身体を比喩的に用いている作品だということです。

本作の見どころは少女の成長と前述しましたが、ただの少女の成長ではなく、ミアは初潮後に確実に人魚への変化を遂げていきます。

初めは生の魚に対する異常なまでの食欲。足の指の水かき、腹部のエラ、脚全体に浮かび上がり模様。変態は拡大し、日常生活では隠しきれない変化を重ねていく。

変化の最終段階は立派な人魚となり、脚がなくなり、全体がヒレになります。

この異常な変化が多感な時期の少女にとってどれだけ恐ろしいことは想像に難くありません。

心の穴を埋めてくれる場所

繊細な時期だからこそ真面目過ぎる家庭の鬱屈から逃れ、心の拠り所を求め、非行に走ってしまいます。この問題は社会的に無視できない重要な問題。

親友であるジアンナもシングルファザーであることを告白するシーンも、非行に走ることは家庭環境にも大きく左右される可能性があることを案に示してしているのです。

言いようのない不安から逃れるためにジアンナたちとつるむようになったミアは多くの経験をします。タバコ、酒、ドラッグ、セックス

異質な体験をするミアだけでなく、誰にでも犯罪行為に足を踏み入れてしまうリスクはあるのです。幾ら危険な薬物に頼っても、カジュアルセックスをしても空虚な心の穴が埋まることはありません。

そんな若さ故の不安定さと愚かさも描いていて、心臓を抉られる思いでした。

水のような存在

本作を視聴していく中で、象徴的なものは水だということは冒頭で述べた通りです。では、水とは何か。水は思春期の子どもを表わしているのだと考えられます。

流動的で形が形成されていない、まだ何にも染まっていない存在は水のよう。澄んだ水に濁りが混じって一瞬で汚れていく様にミアはジアンナたちとの関係性によって悪に染まっていく。それほど純粋で浮雲のような思春期だからこそ道を踏み外さないようにしていくのが大人の役目なのだと考えさせられました。

人魚になった少女

最終的に人魚になるミアもまた1人の少女であり、これは異質な体験の果てに独りで大海へと繰り出す少女の話。変化が最終段階を迎え、部屋で脚がヒレになったミアはジアンナを呼び出して、海まで運んでもらう。これは親が留守の間の出来事です。

普通の少女でも就職や進学によって親元を離れる時がやってきます。

その時、どれだけ親友と親しくても、どれだけ家族に愛されていても独りで生きていかなリません。本作では大海へと身を乗り出す人魚となったミアがその象徴。

こんな普遍的な出来事を人魚へと成長する少女として描いていることに斬新さを感じました。

ブルーマインドを見た人におすすめの作品

本作は201822日に公開されたフランス映画「RAW~少女のめざめ~」に類似している点があります。

RAW~少女のめざめ~」も少女の成長を描いている映画。こちらは社会的な問題というよりは文化的な要素が強い映画でした。主題としてカニバリズムを題材にしており、美しさというよりはホラー要素が多い作品です。

こちらも併せて観ることで変化に揺れ動く少女の葛藤を知ることができますよ!

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